POWER STATION STAFFのつれづれ日記

2006年2月にOPENした高槻市別所交差点にあるオートバイショップの修理レポ・日常あれこれ・看板猫のことなど他愛もない話。

だめだ…(;;

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 昨日の続き。
 そこそこ長い時間水没したバイク、どんな状態になっているか点検です。

 肝のエンジンですが…休み前の冠水修理ラッシュのごとく、エンジン内にはまあ水が回ってるでしょう。
 このまま始動確認なんてしてしまってもかからないだろうし、水で希釈されたオイルではまともにエンジン内部の潤滑ができない…
第一ウォーターハンマーでもくらっちゃったらコンロッドがご臨終です><


※ ピストンは燃焼室内の空気(混合気)を圧縮し、そこに点火爆発しパワーを発生させておりますね。
  ウォーターハンマーとは、『空気ではなく水を圧縮すること』つまり燃焼室に外部から水が流れ込むとピストンが空気でなく水を圧縮するとになり、
 結果エンジンを破損させてしまう現象のことです。

  何故水が入ると壊れるのかというと「空気は圧縮しやすいが、水はとても圧縮しにくい」という事実があるから。
  エンジン内のパーツであるピストンやピストンを支えている棒である「コンロッド」、「クランクシャフト」は金属ですから強度以上の強い力が掛かれば曲がったり破損します…
 エンジン内の部品は気体を圧縮するための強度はあっても水を圧縮する時にかかる力に耐えうる強度は持たされていないため
 燃焼室に水が浸入すると各部品が破損してしまうのです。

  お分かりいただけたかな?(・∀・)b


 そんなわけで長いうんちくをはさみましたが、とにかくエンジンが無事かどうか調べる(エンジンをかける)にはまず水を抜かねばなりません。
 プラグを外してしまいプラグホールを開放し、よりエンジンオイル他内部の液体が落ちやすい状態にしてから、ドレンボルトを緩めました…すると


 水・水・水…



 中にたっぷりしっかり水が回っていたようです、油より比重が重い水は真っ先にドレンから排出されていきます。
 それも、本当に綺麗に透き通った水が…3ℓは出たでしょうか、そこからだんだんと乳化して白濁したオイルが水の倍くらいの量は出てきました。
 
 (ちなみにこのバイク、普通にオイル交換する際のオイル必要量は3ℓ弱) 

 これは…エンジン内全部水が回ってるに等しい…。
 エンジン内部には本来水は入ることを想定されていませんから、防錆加工がされているなんてこたあ期待できません。
 そして中にしっかり水が回った以上、完璧に脱水をするというのはできるのかどうか怪しいです。
 錆で一番心配なのはベアリングやギヤ。ここさびたらもおお、アウト。

 そして他にも心配なのが電気系。昨日の写真のようにタンクくらいまではどっぷり水に浸かっていたようですので
ハーネス他電気系は水が入り込んでしまってアウトもしくはこれからどんどんサビが回っていきダメになっていくと思われます…。


 あかんこれは…直さない方がいいパターン…
 直そうとしたらこれよりもっといい状態の中古車買えます…orz
 
 
 事実をオーナーさんに連絡せねば…はああ><
 パッと見た感じ綺麗だしそこそこカスタムされていることから愛着はあるんだろうとわかるだけに…気が重いです。


 続きは休み明け。