あるお客様から、固着したキャリパーの分解研磨清掃をしようとしたところ自分で分解することができなかったのでお願いできないかと連絡がありました。
モノをみないとアレだけども大丈夫と思うのでお持ち込みください~ということで部品のみ入庫したのは、スパーダのフロントブレーキキャリパー。
スパーダ!VT系の中でもパワーがあって、癖のないスッキリめなデザインが年代を感じさせない結構人気のある車種ですねえ。
でも、実際結構な御年のはずなんですよね。
その証拠に最近街でもほぼ姿を見なくなりました。
えーと、実際おいくつなんだ、スパーダさんは。
こういう時にwebで調べてもさっと出てくるんだけど、あえてウチのバイブル↓で調べてみます!
他のショップに持って行っても修理見て貰えないってご相談に来られるお客様のバイクだって大体載ってる、旧車好きさんが見出したら時間忘れちゃう的な本です。
勿論スパーダさんも当たり前に載ってますがな、ドン!
このバイブルの素晴らしい所は販売年度と写真、その下にスペックや寸評などが載っている点。
例えばこのスパーダのデータを見ると、うっは40馬力で重量140㎏?ヒラヒラやん!めっちゃ走れそうやん、アルミホイール&フレームやもんな~でもって新車価格50万円切ってるとか控え目に言うて最高?
…という感じで楽しめるわけですw
今回持ち込まれたのはキャリパーだけなので、私が日記書く際情報を補完したり、その車体への気持ちを上げる為にもバイブルはめちゃお役立ちなのであります^^
さてちょっと逸れましたので話を戻します。
スパーダのキャリパー、キャリパーピストンがちょっと変わった形状をしている為プーラーが使えず難儀されて持ち込まれました。
でもピストンはコンプレッサーで高圧かけて無理やりピストンを動かすことができたのですぐ引き抜くことができました。
引き抜いたキャリパーピストンは綺麗に清掃し研磨しました。
が。もっと大変だったのは、こっち↓の固着でした。
ブレーキキャリパーって左右からローターを挟み込んで制動するので、キャリパーピストン側の相手、私が指さしているキャリパーブラケット側もちゃんと動作してくれないといけないのですが、このブラケットは付け根のスライドピンがびっくりするくらい腐食してて固着してました\(^o^)/
腐食の原因は勿論経年劣化もありますが、ピンをカバードしているブーツが破れて、そこから雨水や汚れがしみこんだ結果だと思われます。
このブラケットが固着したままだと、ブレーキパッドが左右から挟み込むじゃなくて片方からの力で押し付けてるみたいな動作になるので、本来の制動力は得られません。
ブレーキは命に関わりますからね。ちゃんとしとかなきゃダメ、絶対!
てことで時間をかけて少しずつ固着してるのを解し、分解し、清掃研磨しました。
あとはご自身で車体に取り付けて頂いて動作確認して頂けたら~ということでスパーダのブレーキキャリパーオーバーホール、完了です。