あるお客様から、走ってる途中でバイクが動かなくなったと電話が。
話聞いた感じだと今の時期よくあるカーボン噛みかなあと思ったんですが、キックで無理やりエンジンかけようとしたら、キックが下りないとのこと。
キック下りないとか…なんて邪悪なワード…。
状態的にえらいことが起きてそうな。そんな予感をオーナー様ご自身も感じられたようで、高くつきますかねえ…と声のトーン低めです。
うーん。もしも、エンジンが焼けてたら焼け具合にもよるけど5~10万コースですかねえ…と説明。
しかし実際見てみないと何とも言えないし、修理代めっちゃかかりそうだからって今の動かない状態で放置するわけにもいかないのでひとまず車両を引き取ってどこが悪いか点検見積をしましょう!ってことに。
そうして引き上げてきたのがこちらのビーノですが、運搬前は普通に動かせたのに、トラックの荷台から降ろしたら何故かリアタイヤがロック。
仕方ないのでリア引きずりつつ店内に運び入れました。
一体何がおきてるんやこのビーノに汗
まあそれも点検していけばわかることか。
ということで早速見ていきます。
まずセルスターターでのエンジン始動を試みたら、バッテリーがよわっよわでかからない。
そしてキックが下りないとのことでしたが無理やり動かしてたらちょっと動くようになってきて、それと一緒にリアタイヤもロック状態でなくなりました。
ここで店長はクランクケースが怪しいと踏んだようです。
早速クランクケースを開けましたら、ケース内からばらばらーっとゴムの破片がいっぱい落ちてきました。
この車両走行距離をみたら30000㎞超え…どうやら交換時期オーバーして走行し続けたことでドライブベルトが砕け散ったようです。
(ドライブベルト交換のメーカー推奨距離は15000~20000㎞)
ケース内は切れたベルトの中に編み込まれているケブラー繊維がクラッチ周辺に絡まってこんがらがってます。
さっきリアタイヤがロックしたのはこのケブラー繊維が絡まったのか。納得。
絡まった繊維全部摘出するのはなかなか大変そうですが、これ全部撤去後ベルトと変速のウエイトを交換したら直りそうです。
ということで上を踏まえ修理費用を計算しオーナー様にご連絡したところ、最悪の事態(エンジン焼け)ではなかったことにほっとしつつ、上の内容で修理してください、とご依頼頂きました。
エンジン焼けてなかったし、ベルトぐちゃぐちゃにこんがらがってたけどクラッチ等に大きな損傷もなくて本当よかった!
そして交換部品は全て在庫あったためすぐ修理が完了したのでありました~めでたしめでたし。