昨日の続き。
走行中に止まってしまったカブ110Proのエンジンを開けると、想像してた以上に悪い状態でした。
ピストンは上から下までしゃぎしゃぎに縦キズが全体に入っていただけでなく、ピストンピンまで焼きついてピストンが写真の形状で固定してしまっている状態。
そしてシリンダーも同様に縦キズが多数。
潤滑不良が起きたような状態です。
しかしオイル交換はしっかり定期で行っていたのにどうして~ってことで分解調査をしたところ、原因が判明しました。
それはクランクケース右側、カムチェーンと連動して動くギアが原因だったようです。
↓で指しているのが件のギヤです。
このギヤはオイルポンプのギヤで、エンジンの回転に合わせポンプがオイルを吐出するようになっています。
しかしこのあたりを分解点検していたら、このギヤが本来軸と一体モノであるはずなのにぽろっと軸から外れてしまいました。
これではギヤがくるくる空転するだけなのでオイルポンプはオイルを吐出することができなかったでしょう。
このギヤが破損することってあまりないのですが、負荷がかかりすぎて損傷してしまったのでしょう。
ピストンやシリンダーだけでなくピストンピンまで固着するほど潤滑不良やエンジンの熱にさらされたこのエンジンをバリっと修理するにはかなりの高額修理になりそう。
実際破損個所を全部拾い上げ、ついでに消耗部品交換も入れた見積もりを作ったところ、それは高くなりそう~という想像ではなく現実のものとなりました。
金額もそうですが破損個所が多すぎて、明細は2Pに渡る超大作になってしまった・・・(・△・)
しかも多数ある交換部品のうち一部が長期欠品とのこと。コロナのせいか?わかりませんが一か月は入ってこなさそうです。
とにかくこの内容をオーナー様に伝えつつ見積もりをお渡しし、どうするかお考え頂くことに。
ウチは直せと言われたら喜んで修理いたしますが、この車両の全体的なくたびれっぷりを見た感じだともうそろそろ見切り時な気がするが…連絡をお待ちしておこう。