しょっちゅうエンストするという症状で4ストJOGが入庫しました。
オーナー様がご来店時店長が対応している様子を私は店の中で見ていたのですが、もうその時点でエンジンから甲高いモーターのような音がしているのが聞こえてきました。
エンジン内のベアリングが損傷していると上のような音がするのですが、さて逝ってしまってるのはギヤのベアリングかクランクベアリングか…私には音聞いただけで判断できないですが、ただ事ではない邪悪な音というのは分かります。
メーターの走行距離まだ9000㎞くらいなんですけどね、なんでこんなになったんだろな。
オーナー様とあれこれお話ししているうちに、どうやら初回のオイル交換をしたあと、オイルを交換した記憶があんまりないとか。。
どうもそこそこ分解しての修理が必要であろうと思われますが、オイルを換えていない、そしてエンストするという症状が深刻さを予感させます。
エンジン止まる→どっかで圧縮抜けてるんじゃないの→そのベアリングノイズ出てるって潤滑不良よね→つまりエンジン焼けてるのでは という流れが頭に浮かんじゃう。
下手したら(修理代)10万コースかも…とお話ししつつ、とりあえずお見積りからさせて頂くことに。
原付は大体エンジンが外装でカバーされています、なので点検するにはまず外装を外していきます。
シートとメットインボックスを外し、シートカウルとサイドモールを外したところで異常発見です。
リザーバタンクがすっからかんになっていました。普通ならこのタンクに1/3~半分くらいは冷却水が入っているはず。
それが全く入っていないということは外に漏れ出たかエンジン内の入っちゃいけない所に入って燃えてしまったか。
ラジエターに回っている冷却水はどうなっているかみてみます。
蓋を開けて覗くと水面が見えません、そして入り口付近に濁った液体っぽいものが付着しているような…冷却水が汚れすぎて濁っているのか、ウォーターラインにオイルなどの異物が混入したような感じがします。
次にラジエターとリザーバに繋がっているパイプを外してみました。
濁った泥水みたいなのがほんの少し出てきました…勿論規定量には到底足りない量です。
これはエンジンだけでなくウォーターポンプも故障が発生しているくさいのでどちらも開けないとですが、まずはウォーターポンプを分解しました。
するとインペラーシャフトを包み隠すように乳化したオイルがマーガリンみたいにべっちゃり張り付いていました。よく見るとシャフト周辺が楕円の長穴になってますがここは本来真円で、恐らくシャフトを支持しているベアリングが中で崩壊してシャフトが躍ったため削れてこのように変形したようです。
ポンプの裏側も同様に楕円になってます。
シャフトがこんなにガタ出ているという事はエンジン(カムギア)側も…
シャフト周辺から出た鉄粉がこびりついてます、多分こっち側もシャフトが当たって攻撃を受けていると思います。
本来冷却水を循環させる部分がこんな状態ということはまずエンジンを冷やす機能は果たしてないし、冷却水を密閉させるべきシールが抜けてエンジン側に水が流出したならば、エンジンオイルが希釈され潤滑不良になっている可能性があります。
ということで次はエンジン内がどうなっているか開けて点検。
まずヘッドをめくります、そして出てきたバルブが、すっごい汚れてる。
汚れを見てると、なんか一部色が違うような…矢印のあたり、黒いは黒いでもなんか感じ違うように見えるんだけど。
どこか一部当たってしまっているような悪寒がします…とピストン側見ると
ピストントップにめっちゃ当たってるオーラ出てました(--;)
この時点ですでに修理代結構かかりそうな雰囲気…
と、ちょっと長くなってしまったので今日はここまで!