先日手ホニしたTZR50のシリンダーですが、ご来店下さったオーナー様に見て頂き、綺麗になってる~!とすごく喜んで頂けました^^
でもまだまだ続きますこのTZRの作業!エンジン内の消耗品を交換するだけでなく低速トルクを太らせるというミッションもあるので。
ベースが50㏄と元々排気量が小さいので、弄れる幅が狭いっていうたらいいのかあれですが、とにかくキャブ弄るだけだと他の部分が犠牲になりそうです。
ボアアップしたら全体的に太らせることはできるんですが、50㏄以上の免許がないと乗れなくなるのは困るのです。
そこで考えた一つ目が、燃焼室内の圧縮を上げてみよう!てやつ。
クランクシールを打ち換えついでにシールの内側に耐ガス性の接着剤を充填してみました。
この接着剤が充填された分燃焼室が狭くなり圧縮比が上がる↑↑ってわけですが、正直めちゃわずかな容積ですこの接着剤。しかし50㏄のエンジンに対してこの接着剤の体積は一体何パーセントか…ていう、ね。
排気量が小さいからこそこのちょっとの体積でもかなりのシェアを占めるわけです。理論上は。
まあこれは結果が出たらオーライ?
そして次。燃焼効率を上げれないかな!ってのでパンチングメタルを加工し移植します。
加工や移植いうてもカットしたパンチングメタルをリードバルブの吸入口にぶっ刺しただけですがw
何でこんな事をしてるのかっていうとリードバルブに流れ込む混合気(ガソリンと空気が混ざり合ったもの)がこのパンチングメタルにぶち当たりながら通過することで混合気内のガソリンが細かく粉砕され、霧化を促進ひいては燃焼促進!っていう理屈です。
低速時はいうたらエンジンがテンション上がり切ってない状態なのでガソリンも燃焼しにくい環境、なので混合気に含まれるガソリンの粒を細切れにして着火しやすくしてあげましょ、そしたら低速で早くパワーが出るでしょ?っていうアレがナニ。
そしてリードバルブをもういっちょ加工。
弁をカーボン製に交換。
元々の弁は左のプラスチックっぽいやつです、それを軽くてしなるカーボン製に換えたわけですがこれで何が変わるかっていうとレスポンスがクイックになるそうです。
はっきり言うてカーボン製に換えても低速への影響はほとんどなく、逆に中高速時でのレスポンスが向上するらしいです。
なんで今回要望されている低速に関係ない所を強化するのかと言うと、排気量を変えないでトルク特性を弄るときって、大体他の部分が犠牲になるからです。
今回ボアアップしないってことはトータルの熱量、生まれるパワーは変わらないんです。
そんな中で低速を盛りつけようとすると、他の部分にトレードオフが出る、つまり中高速がプアになるんです。これはどうしようもない。
でも低速を優先することで生まれるネガは出来るだけ緩和したい。てことで中高速でもクイックに動いてくれるカーボンの弁を採用しました。
なんか色々ちまちまと内職のようですが、50㏄という限られた熱量をフルに生かせるような環境をなんとか具現化するための小細工を考えるのが店長はとにかく楽しそうです。
長くなってきたので今日はここまで^^