POWER STATION STAFFのつれづれ日記

2006年2月にOPENした高槻市別所交差点にあるオートバイショップの修理レポ・日常あれこれ・看板猫のことなど他愛もない話。

ミルフィーユ

 今日は先日入庫したGPZの車検前整備をしまーす。

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 お預かりする時に、オーナー様から最近あまり乗れてなかったと聞かされました。
 ご申告どおり前回車検からそんなに距離は進んでおらず、消耗品交換などせずとも普段の車検基本整備で
いけそう。
 ただ、乗らな過ぎたせいか一箇所気になるところがあり見ておいて欲しいと言われていました。

 それが、クラッチ


 バイクって使わなすぎると出てくる不具合ってのがあります。
 私が今ぱっとすぐ思い出すよくある症状は↓これら。

 ① バッテリーあがり 
 ② キャブレターの詰まり(インジェクション車には無関係) 
 ③ タイヤ、その他ゴム製パーツの硬化 
 ④ フロントフォークインナーチューブの錆とそれに起因するフォークオイル漏れ
 ⑤ ブレーキ固着
 ⑥ タンク内に錆発生

 放置期間・保管環境・使わなくなる直前の処置によっては起きない事もあるけど、どれも珍しくなく発生する
症状です。

 今回お預かりしているGPZは保管場所が屋内で乗らない間もちょこちょこエンジンをかけていたそう、なので
幸い上に挙げたような症状は起きていませんでした。
 そのかわり?発生確率は高くないけどたまにあるよね、な症状が発生しました。
 それがクラッチの張り付き。

 長く動かさずに置いておくことでクラッチカバー内に循環しているエンジンオイルが下に落ちていくのに
クラッチ板たちはずっと押し付けられている、そんな状態でずっとクラッチを動かさずにいると板同士が
仲良くくっついてしまうんです。

 こうなるとエンジンを掛けてニュートラルから1速にギヤを入れてもうまく1速に入らずエンストします       。

 症状が軽度ならエンジンをかけた状態で何度もギヤチェンジを試み、動作する衝撃で張り付いた板たちが
剥がれるのを促すんですが…このGPZはかなり頑固にくっついてそう。
 がっつり固着してる場合は無理にギヤ操作すると中で板が割れる恐れがあるので今回はズボラせず
エンジンオイル抜いてからクラッチカバーを開けてクラッチ板を手でほぐしていくことにします。

 カバーを開けるのは入庫時にもうお客様に伝え了解を得ていたのでカバーのパッキンも入荷してます。
 というわけで準備はOK。いざ、オープン☆

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 あーやっぱり無理にギヤ入れてほぐさんくてよかった。
 ほら、くっついてる。

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 外したプレートにフリクションプレート張り付いてもうてるし、ハウジングに収まってる板たちはやはりがっちり
固着してる感満載。
 クラッチプレート表面も腐食?フリクションプレートが密着してできた痕?がついてる。

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 このハウジング内で張り付いてる板たちを割らない程度に力入れて引っ張り出します。
 そして出てきたクラッチ板たちが↓こちら。

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 うぃーどうです~!
 種も仕掛けもありませんよ~クラッチ板が、固着してひと塊に!(←そのままや)

 このミルフィーユのように重なって離れない板たちを割らないよう優しく丁寧に一枚ずつに剥がしていきまー^^

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 ほぐした後は表面の汚れだか腐食だかを取り去ってから一枚一枚にエンジンオイルを塗り塗り。

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 たっぷりオイルを塗りつけた後はしゅませたいので少し寝かせておきます。


 さて寝かせてる間にちょっと違うことしてこようっと!
 続く!(*・ω・)/